2021/4/20 読了  成毛眞「情報の「捨て方」 知的生産、私の方法 」(角川新書)

2021/4/20 読了  成毛眞「情報の「捨て方」 知的生産、私の方法 」(角川新書)

 

f.2021/4/20(2nd)
f.2015/5/13
p.2015/5/9
★4

序章 「情報とは一体何か」―バカを相手にしないための手段として
1章 情報を「入手する」―24時間浴びる、しかしルートは絞る
2章 情報を「見極める」―「どうせウソだよね」という思考習慣
3章 情報の「非整理術」―整理に追われて1日を終える人々
4章 情報を「噛み砕く」―解釈する力のない者は敗れる
5章 情報を「生み出す」―受け取るだけの人間になるな
6章 情報を「活用する」―面白い生き方をしたいなら
特別章 成毛眞「情報」個人史

 

【ポイント】

1.情報のS/N(シグナル・ノイズ)比を上げる
 では、情報に使われる人を脱し、情報を使う人になるにはどうしたらいいか。
 まずはすでに述べたように、触れる情報の内容を、質のいいものだけに絞ることです。自分でS/N比を上げるのです。不要なものには触れないこと、触れてしまったら捨てることです。1日中情報を追い求めるなど愚の骨頂。そんなことをする時間があるくらいなら、ほかの知的なこと、生産的なことをしたほうがずっといい。

2.自分に意外性を持たせる
国内のオフィスでデスクワークに従事している人は、アフリカ経済や永久凍土の溶解などについて知ったほうがいいし、逆に、海外出張の多いビジネスマンは、海外の雑誌を読むよりもむしろ、歌舞伎や能など、日本文化のディープなところにどっぷり浸かるのがいいと私は思います。
 自分に意外性を持たせることを意識するといってもいいかもしれません。自分の勤務先や肩書きとは、最も縁遠そうなところを攻めてみてはどうでしょうか。
 そのギャップは人に「面白い人」というイメージを植え付けます。面白い人には面白い人が吸い寄せられ、そこでは面白い情報交換がされます。自分を面白い人にすることも、貫重な情報を入手するためのひとつの方法なのです。

3.岐路に立たされたら「あの人だったら」を妄想する
このときの「あの人」は身近な上司や親ではありません。雲の上の存在と言われるような人たちです。
 たとえば、坂本龍馬だったら、スティーブ・ジョブズだったら、マザー・テレサだったらどうするか。
 そうやって妄想すると、「あ、これはないな」と選ぶべきでない選択肢が消えていきムダな情報をかき集めて思考することもなくなり、正しい決断が下せるものです。思い浮かべる雲の上の存在は、シーンごとに違っていて構いません。とにかく雲の上のそのまた上にいるような人になりきって考えます。
 松下幸之助は、中国企業からのへッドハンティングに応じたでしょうか。答えは明白なはずです。

4.自分の情報をアウトプットして反応を待つ
 自分の持っている情報の価値に気づかないことは、よくあることなのです。その業界や社内では当たり前のことでも、一歩外に出ると驚愕されることはいくらでもあります。驚かれるということは、貴重な情報ということにほかなりません。
 では、自分がそうと気づかずに持っている情報の価値は、どうやったら確かめられるのか。答えは簡単です。できるだけ広く、遠くに届くようにアウトプットし、反応を待つのです。

5.教養の有無で、得た情報の活用範囲が異なる
同じ仕事をしている人たちの間で、得られる情報の量に大差がつくことはありません。しかし、その人に教養があるかないかで、得た情報の活用範囲はまったく異なります。
 教養があれば、得た情報が、自分の持っている教養の何に「似ているか」がわかります。何と「相性がいいか」がわかります。何と「組み合わせたら面白いか」がわかります。この"何と"を多く持っていれば持っているほど、その人はアイデアを多く生み出せるわけです。

★ point!★

新聞を読むな。BSテレビを観ろ。

メモは「太赤マジック」で取れ。

SNS上のバカは即刻「ブロックしてよし」―人生もビジネスも、どう“情報を捨てるか”で質が決まる。

「良い情報を探す」前に、疑い、見極め、そうして活かせ。

人、街、テレビ、ネット、スマホ…本当の知的生産をするための、「情報活用」以前の教科書。