2022/2/23 読了 中上健次「紀伊物語」 (集英社文庫)

2022/2/23  読了 中上健次紀伊物語」 (集英社文庫

 

f.2022/2/23
p.1993/1/21

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道子の母は尾鷲の方から大島に女郎として売られて来た。父と知りあい、道子を産んで間もなく男と出奔した。十九歳の道子は、母が女郎でも、淫売でもかまわなかった。自分の乳房、腹、脚のどこに母の血が流れているのか、腕を思い切り噛んで、すすり泣いた。…大島、古座、新宮を舞台に道子が辿る愛欲の軌跡。

男たちに身を売り、男と出奔し、女たちからもののしられて死んだ母。その奔放な血を背負い、故郷・紀伊大島を旅立った19歳の道子がたどる、愛欲の軌跡―。(解説・勝目 梓)

 

中上 健次
1946年和歌山県新宮市生まれ。作家・批評家・詩人。『灰色のコカコーラ』でデビュー。73年、『十九歳の地図』が第69回芥川賞候補となる。76年 『岬』で第74回芥川賞を受賞。ウィリアム・フォークナーに影響を受け、土俗的な手法で紀州熊野を舞台に「紀州サーガ」とよばれる小説群を執筆。92年没(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 紀州 木の国・根の国物語 (ISBN-13: 978-4041456118 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)