2023/8/26 読了 鷲田清一「京都の平熱  哲学者の都市案内」 講談社

京都の平熱 哲学者の都市案内

著者 : 
  • 講談社 (2007年3月21日発売)
  • 京都の平熱 哲学者の都市案内

  • f.②2023/8/26
    f.①2008/5/2
    p.2007/3/27
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    古い寺社は多いが歴史意識は薄い。
    自然そのものより技巧・虚構に親しむ。
    けったいなもんオモロイもんを好み、町々に三奇人がいる。
    「あっち」の世界への孔がいっぱいの「きょうと」のからくり。

    古い町にあっていまの郊外のニュータウンにないものが3つある。1つは大木、1つは宗教施設、いま1つは場末だ。この3つには共通するものがある。世界が口を空けている場だということだ。……京都という街には、こうした世界が口を空けているところが、まだまだたっぷりある。……ドラマで描かれるよりはるかに、形而上学的に、妖しい街なのである。――<本書より>

    古い寺社は多いが歴史意識は薄く、技巧・虚構に親しむ。けったいなもんオモロイもんを好み、町々に三奇人がいる。「あっち」の世界への孔がいっぱいの「きょうと」のからくり――。〈聖〉〈性〉〈学〉〈遊〉が入れ子になり都市の記憶を溜めこんだ路線、京都市バス206番に乗った哲学者の温かな視線は生まれ育った街の陰と襞を追い、「平熱の京都」を描き出す。