2024-09-15 2024/8/21 小森陽一 「村上春樹論 『海辺のカフカ』を精読する 」(平凡社新書 ) 村上春樹論 『海辺のカフカ』を精読する (平凡社新書 321) 著者 : 小森陽一 平凡社 (2006年5月11日発売) 村上春樹論 『海辺のカフカ』を精読する (平凡社新書 321) 作者:小森 陽一 平凡社 Amazon f.②2024/8/21f.①2006/9/24p.2008/5/16 第一章 「海辺のカフカ』とオイディプス神話 オイディプス神話という主題/「オイディプス王」の物語/『海辺のカフカ』と『オイディプス王』 の類似性/オイディプス・コンプレックスの三角形/四歳で母親に捨てられたことの意味/言語 習得と「自我」の誕生/肛門期と「なぜ?」という問い/カフカ少年にとっての「なぜ?」という間 い/カフカ少年の暴力衝動/母は自分を愛してくれなかったのか/排便の躾と愛情のパラドックス/カフカ少年にはタブーを破ることが許されているのか 第二章 甲村図書館と書物の迷宮 図書館という母性的空間/なぜ「千夜一夜物語」を最初に読むのか/シェヘラザードの物語の意味/カフカ少年がカフカの『流刑地にて」を論じる/『千夜一夜物語』と『流刑地にて」の接合/「処刑機械」の構造/『流刑地にて』の権力問題/『海辺のカフカ』は処刑小説なのか/佐伯さんと三冊のファイルを「処刑」する/法と暴力/ジョニ!・ウォーカーの正体/猫殺しと人殺しー偽りの二者択一/アイヒマンへの「想像力」は何を意味するのか 第三章 カフカ少年はなぜ夏目漱石を読むのか 甲村図書館と書物の迷宮 カフカ少年は「夫』と『度美人草』を読む/「近代教養小説」という視点/『抗夫』と『海辺のカフカ」の関係/「玩夫』の人間観/記憶から想起する小説と記憶を落させる小説/処刑 小説としての「農美人草」/『海辺のカフカ』における女性嫌悪/「生き霊」との恋/佐伯さんの「生き」は言葉を発しない/擬似オイディプス神話の完結/カフカ少年は「姉」を犯す/ナポレオン戦争、旧日本軍兵士と「レイプ」の隣接/「戦争」はへいたしかたのないこと>なのか/『抗 夫」は思考停止をどのように記述しているのか/『坑夫』と『海辺のカフカ』の相違点/夏目漱 石と村上春樹 第四章 ナカタさんと戦争の記憶 ナカタさんの出自/記憶の穴落と識字能力の喪失/岡持先生の暴力が記憶を失わせた/トラウマと解離/「日本が大きな戦争をしておりました頃」の記憶/夫の戦死は岡持先生の「罪」なのか/「中田君を叩いた日」は『レイテ戦記』でどう記述されているか/ナカタさんの処刑執行と佐伯さんの「罪」/女性であることが「罪」であるという枠組/「入り口の石」と「三冊のファイル」/歴史の否認と女性嫌悪の結合 第五章 『海辺のカフカ』と戦後日本社会 カーネル・サンダーズが語る「天皇の人間宣言」の虚偽/「生き霊」と『菊花の約』の意味するもの/天皇の戦争責任と父殺し/田村浩一は「団塊の世代」を象徴している/『海辺のカフカ』 の逆オイディプス構造/「二人の兵隊」はどんな役割を持っているのか/軍事演習と解離/「戦争」・「レイプ」・従軍慰安婦問題/精神のある人間として呼吸している女たち)の記憶/『アンダーグラウンド』と『海辺のカフカ」/カフカ少年が一五歳であることの意味/「九・一一」以後の文学的想像力