2020/11/18 読了 みみずくは黄昏に飛びたつ: 川上未映子 訊く/村上春樹 語る (新潮文庫)

2020/11/18 読了 みみずくは黄昏に飛びたつ: 川上未映子 訊く/村上春樹 語る (新潮文庫)

f.2020/11/18
P.2020/1/22
★5

amazon引用

 

内容(「BOOK」データベースより)

ようこそ、村上さんの井戸へ―川上未映子はそう語り始める。少年期の記憶、意識と無意識、「地下二階」に降りること、フェミニズム、世界的名声、比喩や文体、日々の創作の秘密、そして死後のこと…。初期エッセイから最新長編まで、すべての作品と資料を精読し、「村上春樹」の最深部に鋭く迫る。十代から村上文学の愛読者だった作家の計13時間に及ぶ、比類なき超ロングインタビュー!

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

川上/未映子
1976(昭和51)年、大阪府生れ。2007(平成19)年、デビュー小説『わたくし率 イン 歯ー、または世界』が第137回芥川賞候補に。同年第1回坪内逍遙大賞奨励賞受賞、’08年『乳と卵』で第138回芥川賞受賞。『ヘヴン』(芸術選奨文部科学大臣新人賞、紫式部文学賞)、短編集『愛の夢とか』(谷崎潤一郎賞)、『あこがれ』(渡辺淳一賞)など著書多数。長編小説『夏物語』(毎日出版文化賞)は世界10数か国で翻訳出版の予定

村上/春樹
1949(昭和24)年、京都市生れ。早稲田大学第一文学部卒業。’79年『風の歌を聴け』(群像新人文学賞)でデビュー。主な長編小説に、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』(谷崎潤一郎賞)、『ねじまき鳥クロニクル』(読売文学賞)、『1Q84』(毎日出版文化賞)などがある。短編小説集、エッセイ集、紀行文などの他、翻訳書も多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

追記

目次
はじめに 川上未映子
第一章 優れたパーカッショニストは、一番大事な音を叩かない
朗読会の思い出/「語りかけ」の変化/キャビネットの存在/「人称」をめぐって/登場人物、囚われない魂たち/本当のリアリティは、リアリティを超えたもの/物語を「くぐらせる」/文章のリズム、書き直すということ/村上春樹の驚くべき「率直さ」/中上健次の思い出/「頭が沸騰」していいる時間/自分にしかできないことを追求する/本との出会いから始まった奇跡/ゆくゆくはジャズ・クラブを……
第二章 地下二階で起きていること
タイトルと人称はどのように決まる?/「悪」の形が変わったような気がする/地下へ降りていくことの危うさ/それが僕の洞窟スタイルだから/僕は芸術家タイプではありません/ノープランで小説を書き上げるためには/みみずくと作家のキャビネット/水先案内人は三十代半ばがいい/信用取引、時間を味方につけること/地下一階の「クヨクヨ室」問題/「渥美清と寅さん」では困りますからね/免色さんに残された謎/僕のイデアはそれとは無関係です/スピリチュアリストと小説家との違い/ポジティブな終結でありたい/書くことで村上さん自身は変化しますか?
第三章 眠れない夜は、太った郵便配達人と同じくらい珍しい
文章さえ変わり続けていけば、恐れることはない/『ノルウェイの森』幻のシナリオ/本当に求めているのは、男性なんじゃないのかな/文章を書くことで、自分を知るということ/読者を眠らせないための、たった二つのコツ/生き方を教えるのは難しい、書き方も同じ/文体は心の窓である/手を引いて、どこかへ導いてくれる存在/女性が性的な役割を担わされ過ぎていないか/こんな女の人、いままで読んだことがない/地下に潜んでいる、僕の影に触れる瞬間
第四章 たとえ紙がなくなっても、人は語り継ぐ
日記は残さず、数字は記録する/まずは適当に書き飛ばせばいい/新しい一人称の世界が始まったのかな/昔書いた本は、古くて読み返せない/スプリングスティーンの自問のように/僕はインダストリーズの生産担当に過ぎない/死んだらどうなると思いますか/言葉が一人歩きしているものだから/本物の牡蠣フライよりそそりたい/善き物語は、遥か昔の洞窟の中に繋がっている
インタビューを終えて 村上春樹
付録 文庫版のためのちょっと長い対談
濃厚すぎる二年間ですね/ガラパゴスとか、パリとか、村上RADIOとか/翻訳のこと、「父親」についてのメモワール/父親のことはいつか書かなきゃいけないと思っていた/文章というツールについて/「待つのが仕事だから」と言ってみたいけれど/帰って来られた猫と帰って来られなかった猫、内臓の中の石/インタビューの最後に