2024/1/24 読了 「果てる  性愛小説アンソロジー」 (実業之日本社文庫) 著者 : 桜木紫乃 花房観音 他

果てる 性愛小説アンソロジー (実業之日本社文庫)

  • 実業之日本社 (2014年10月3日発売)
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    f.2024/1/24
    p.2021/8/6

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    溺れたい。それだけなのに――。
    かつて駆け落ちをはかった男の身体を求めながら、娘への虐待を繰り返す女。
    ストーカーに怯え、別れた恋人の部屋に飛び込むアラフォー独身女。
    元夫からの養育費が途絶え、現実逃避を夢想する母親。
    妖僧に惑わされるイケメン修行僧……。

    人生の「果て」に直面し、夜の底で求め合う女と男の、切なく狂おしいまでの
    生と性を実力派女性作家が濃密に描きだす、7つの物語。いきなり文庫。

    【収録作品】
    ■エデンの指図 桜木紫乃
    ■天国の鬼 宮木あや子
    ■髪に触れる指 田中兆子
    ■嵐の夜に 斉木香津
    ■紅筋の宿 岡部えつ
    ■南の島へ早く まさきとしか
    ■海の匂い 花房観音

    「あんた、女にもてますやろ! 」
    秀建が急に眼をかっと見開いて、高く叫ぶような声を出したので、伸也は戸惑った。
    「……いえ」
    「嘘つきなはれ! こんなイケメンの男前、女がほっときまへんわぁっ!!」
    本山の敷地の中の事務所の応接室で秀建とふたりきりで向き合っている伸也は、
    故郷の隣村から出た有名人である僧と対峙して、その態度に戸惑っていた。
    秀建さんは、隣村の人やから、何かと世話になりや。仏さんのことも
    世の中のこともよぅ知ってはるし、ええ人やから――
    そう、住職に言われて挨拶に来たのだが、いきなりこの俗物ぶりを隠さない様子は、どうだ。
    (「海の匂い」本文より)

    内容(「BOOK」データベースより)
    かつて駆け落ちをはかった男の身体を求めながら、娘への虐待を繰り返す妻。ストーカーに怯え、別れた恋人の部屋に飛び込むアラフォー独身女性。元夫からの養育費が途絶え、現実逃避を夢想する母親。妖僧に惑わされるイケメン修行僧…。人生の「果て」に直面し、夜の底で求め合う女と男の、切なく狂おしいまでの生と性を濃密に描きだす7つの物語。
    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
    桜木/紫乃
    1965年北海道釧路市生まれ。2002年「雪虫」で第八二回オール讀物新人賞を受賞。同作を含む『氷平線』で07年単行本デビューし、注目を集める。12年『ラブレス』で「突然愛を伝えたくなる本」大賞、13年同作で第一九回島清恋愛文学賞、同年『ホテルローヤル』で第一四九回直木賞を受賞

    宮木/あや子
    1976年神奈川県生まれ。2006年「花宵道中」で第五回「女による女のためのR‐18文学賞」大賞と読者賞をダブル受賞しデビュー

    田中/兆子
    1964年富山県生まれ。八年間のOL生活を経て、現在は専業主婦。2011年短編「べしみ」で第一〇回「女による女のためのR‐18文学賞」の大賞を受賞

    斉木/香津
    大分県生まれ。横浜市立大学文理学部卒業。2008年、第九回小学館文庫小説賞を受賞した『千の花になって』(小学館)でデビュー(同書は13年文庫化に際して『踏んでもいい女』と改題)

    岡部/えつ
    1964年大阪府生まれ。群馬県育ち。2008年「枯骨の恋」で第三回『幽』怪談文学賞短編部門大賞受賞。09年、同作を含む短編集『枯骨の恋』が刊行され、エロスと怪談を融合した作風で注目される

    まさきとしか
    1965年東京都生まれ。北海道札幌育ち。2007年「散る咲く巡る」で第41回北海道新聞文学賞を受賞

    花房/観音
    兵庫県生まれ、京都女子大学中退。2010年『花祀り』で第1回鬼六大賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)