2021/9/29 読了 永田和宏「知の体力」 (新潮新書)

2021/9/29 読了 永田和宏「知の体力」 (新潮新書

 

f.2021/9/29
p.2021/7/23

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「答えは必ずある」などと思ってはいけない。〝勉強〟で染みついた呪縛を解くことが、「知の体力」に目覚める第一歩になる。

「質問からすべては始まる」「孤独になる時間を持て」「自分で自分を評価しない」「言葉にできないことの大切さとは」――。

細胞生物学者にして日本を代表する歌人でもある著者が、これから学ぶ人、一生学び続けたい人たちにやさしく語りかける。自力で生きぬくための本物の「知」の鍛錬法。


(目次)

I部 知の体力とは何か

1 答えがないことを前提とせよ
大学を高校から切りはなす/ 正解は一つなのか/ 答えのない問題/ 定石では太刀打
ちできない/どのように自分で考えられるか

2 質問からすべては始まる
私が大爆発するとき/ プレゼンの心構え/ 以心伝心の功罪/ 能動的に聞く/ 先生
だって嘘を言う/ ヒトの全細胞数は60兆個ではなかった/ 授業に教科書はいらない

3 想定外を乗り切る「知の体力」を
過剰なプレスリリース/ 何のために勉強するのか/ 学習から学問へ/ 最後の教育機
関としての大学/ 想定外に向き合う知力/ 「わかっていないこと」を教えたい

4 なぜ読書は必要なのか
ちっぽけな私は実は凄い奴なのだ/ 「何も知らない〈私〉」を知ること/ 〈他者〉の
発見/ 生命は自然に生まれる?/ 科学的な思考法の基本/ パスツールの「白鳥の首
フラスコ」

5 活用されてこその知である
しまい込まれた知識/ コラーゲンを飲む/ アウトプットへの訓練/ 知のスペクトル

6 〈私〉は世界とつながっている
永田流、短期派遣システム/ 英語嫌い/ 無用のへりくだり/ 学んでから始めるか、
始めつつ学ぶか/ ここだけが世界ではない

II部 師弟関係はどう結ぶものなのか

1 落ちこぼれ体験も大切だ
大学の教師が親切になった/ 三十苦に遭う

2 多様性にこそ価値がある
アクティブラーニング/ 教室じゅうを歩き回る/ とにかく聞いていく/ 「いい先生
ばかり」の胡散臭さ

3 先生にあこがれる
岡潔の残したエピソード/ 研究への情熱が学生に感染する/ 「パチンコ必勝法を教え
たるで」/ 授業は商品か/ 「何を教えるか」よりも「誰が教えるか」/ 先生で志
望する大学を択べるか/ 名著の値段

4 大学に質を求めるな
大学の品質保証/ 企業・社会の求める人材とは?/ 総理の言う「職業教育」/ 「ら
しく」の蔓延/ 「らしく」は同調を強要するミームだ/ 違っているということから

5 親が子の自立を妨げる
大学から親を駆逐しよう/ 卒業式で親も卒業/ 子でなく親の問題/ 繰り返される失
敗のなかにこそ

6 価値観の違いを大切に
「ヤバイ」だけではヤバクない?/ 特殊な悲しみ/ 予測変換機能 / ヘンな三人組

7 自分で自分を評価しない
妬みのなかの敵意/ シンデレラの起こした変化/ 「私などとてもとても」/ 自分を
位置づけない/ ぼっち席/ 本来ひとりでいるもの

III部 思考の足場をどう作るか

1 二足のわらじには意味がある
身の縮んだ人生/ 研究室の御法度/ 元気をなくしたわが子

2 みんなが右を向いていたら、一度は左を向いてみる
負のフィードバック制御 / われわれは弱い / 「それらしい」言葉の嘘くささ /
言葉は究極のデジタル / コミュニケーションは、アナログのデジタル化

3 メールで十分と思うな
300通のラブレター/ メールは思いを伝えるか/ 言葉にできない/ 待つという時
間 / 思考の断片化

4 ひたすら聞きつづける
受ける側の覚悟 / 妻が望んでいたこと/ 河合隼雄の極意/ 聞いてくれる存在 /
「それは無理」が摘み取るもの

5 「輝いている自分」に出会うには
特別の〈他者〉/ 伴侶となるべき存在

あとがき

内容(「BOOK」データベースより)
「答えは必ずある」などと思ってはいけない。“勉強”で染みついた呪縛を解くことが、「知の体力」に目覚める第一歩になる。「質問からすべては始まる」「孤独になる時間を持て」「自分で自分を評価しない」「言葉にできないことの大切さとは」―。細胞生物学者にして日本を代表する歌人でもある著者が、これから学ぶ人、一生学び続けたい人たちにやさしく語りかける。自力で生きぬくための本物の「知」の鍛錬法。

著者について
1947(昭和22)年滋賀県生まれ。細胞生物学者京都大学名誉教授、京都産業大学
タンパク質動態研究所所長。歌人として宮中歌会始詠進歌選者、朝日歌壇選者もつとめる。
紫綬褒章受章、ハンス・ノイラート科学賞受賞。『タンパク質の一生』『近代秀歌』『歌に私は泣くだらう』など著書多数。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
永田/和宏
1947(昭和22)年滋賀県生まれ。細胞生物学者京都大学名誉教授。京都産業大学タンパク質動態研究所所長。歌人として宮中歌会始詠進歌選者、朝日歌壇選者もつとめる。紫綬褒章受章、ハンス・ノイラート科学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)