2021/5/10 読了 桐野夏生 編「 我等、同じ船に乗り  心に残る物語――日本文学秀作選」(文春文庫)

2021/5/10 読了 桐野夏生 編「 我等、同じ船に乗り  心に残る物語――日本文学秀作選」(文春文庫)

 

 
f.f.2021/5/10  p.2009/11/11 ★4

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商品の説明

ともに歩みながら、人間は何故、かくも哀しく行き違うのか――。衝撃の書を世に問い続ける編者が、こよなく愛する11本の短篇小説

内容(「BOOK」データベースより)

最近の私の好みは、「生々しい小説」に尽きる。良くも悪くも、作者の生理が感じられるもの―。衝撃の書を世に問い続ける作家が、ひとりの読者に立ち返って選んだベスト・オブ・ベスト。島尾敏雄・ミホ、菊池寛太宰治坂口安吾林芙美子谷崎潤一郎ら、ともに生きながら哀しく行き違わざるを得ない生の現実を描いた11篇を収める。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

桐野/夏生
1951年、金沢生まれ。成蹊大学法学部卒業。93年『顔に降りかかる雨』で江戸川乱歩賞受賞。98年『OUT』で日本推理作家協会賞受賞、99年『柔らかな頬』で第121回直木賞を受賞。2003年『グロテスク』で泉鏡花文学賞受賞。04年『OUT』が日本人としては初めてエドガー賞(MWA主催)の候補になる。同年『残虐記』で柴田錬三郎賞受賞。05年『魂萌え!』で婦人公論文芸賞受賞。08年『東京島』で谷崎潤一郎賞、09年『女神記』で紫式部文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

 

2021/5/8 読了 京極夏彦「ヒトでなし: 金剛界の章」 (新潮文庫)

2021/5/8 読了 京極夏彦「ヒトでなし: 金剛界の章」 (新潮文庫)

 

★4 p.2019/3/21

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「お前な、慎吾。人を救うのを仕事にしねえか? 宗教だよ」

仕事、家、妻子。全てを失った――
人間をやめた男が救世主に!?
罪、欲望、救済の螺旋を描く、超・宗教エンタテインメント!


第一話 堕

第二話 貧

第三話 妄

第四話 獰

第五話 奔

第六話 覚

第七話 毒

第八話 瘡

第九話 罰

第十話 鬼

第十一話 還

「死にたいん──です」「なら死ねよ」。娘を亡くし、妻だった人に去られ、十五年勤めた会社を解雇された。全てを失い彷徨していた尾田慎吾は、雨の夜、自殺を図る見知らぬ女にそう告げた。同日、旧友荻野と再会する。彼は、情、欲望、執着を持たぬ慎吾を見込んで、宗教を仕事にしないかと持ちかける。謎めいた荒れ寺に集いし破綻者たち。仏も神も人間ではない。超・宗教エンタテインメント。

 

「お前な、慎吾。人を救うのを仕事にしねえか?」
罪と救済の螺旋を描く、超・宗教エンタテインメント
 俺は、ヒトでなしなんだそうだ。
 妻が言っていたのだから間違いあるまい。いや、あの人はもう妻ではない。

 京極夏彦さんの長篇『ヒトでなし―金剛界の章―』の冒頭です。ある日、無残なかたちで娘を亡くした尾田慎吾。その出来事を契機として、妻だった女性に去られ、十五年勤めていた会社からもあっさりと捨てられました。
 すべてを失い、雨の夜に彷徨していた慎吾は、旧友・荻野と再会。荻野は高校時代の友人でしたが、その後、疎遠に。IT関連で大成功、年収数億円の身との噂は聞いていました。ただ、彼の口が吐いたのは、「首吊ろうかってな具合だよ」。荻野常雄もまた大きな借金を抱えて孤立し、明日の見えない状況に陥っていたのです。
 絶体絶命のふたり。どん底の中で、荻野は思いつきます。情、欲望、執着を生来持たぬ慎吾を見込んで、宗教を仕事にしないか、と持ちかけたのです。
 彼らに吸い寄せられるように集まる、さまざまなタイプの破綻者たち。その中には、決して関わりを持ちたくないような者さえ含まれています――。
 圧倒的なエンタテインメントにして、人間の拠って立つ場所を揺さぶる、この長篇。
 尾田慎吾の痛烈な一言をいつしか心待ちにしているあなたに気づくでしょう。

 

 

2021/5/5 読了 本橋信宏「新・AV時代」文藝春秋

2021/5/5 読了 本橋信宏「新・AV時代」文藝春秋

 

f.2021/5/5
p.2010/7/10

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 90年代半ば、エロの帝王・村西とおるが実質引退した後、高橋がなり率いるソフト・オン・デマンドがアダルト業界に起こした革命を描く

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内容(「BOOK」データベースより)
AVとテレビ、ふたつの世界がぶつかり、反目し合い、火花が散り、新たなうねりが生まれた!1990年代前半から21世紀の現在まで、「悩ましき人々」の群像がおりなす劣情と感動。業界の裏の裏まで知る著者が圧倒的な迫力で描ききった、ノンフィクションノベルスの金字塔、ここに堂々完結。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
本橋/信宏
1956年4月4日、埼玉県所沢市生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。“バブル焼け跡派”として、幅広くニッポンの世相を見つめる異色の書き手。執筆分野はノンフィクション・小説・エッセイ・評論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

2021/4/20 読了  成毛眞「情報の「捨て方」 知的生産、私の方法 」(角川新書)

2021/4/20 読了  成毛眞「情報の「捨て方」 知的生産、私の方法 」(角川新書)

 

f.2021/4/20(2nd)
f.2015/5/13
p.2015/5/9
★4

序章 「情報とは一体何か」―バカを相手にしないための手段として
1章 情報を「入手する」―24時間浴びる、しかしルートは絞る
2章 情報を「見極める」―「どうせウソだよね」という思考習慣
3章 情報の「非整理術」―整理に追われて1日を終える人々
4章 情報を「噛み砕く」―解釈する力のない者は敗れる
5章 情報を「生み出す」―受け取るだけの人間になるな
6章 情報を「活用する」―面白い生き方をしたいなら
特別章 成毛眞「情報」個人史

 

【ポイント】

1.情報のS/N(シグナル・ノイズ)比を上げる
 では、情報に使われる人を脱し、情報を使う人になるにはどうしたらいいか。
 まずはすでに述べたように、触れる情報の内容を、質のいいものだけに絞ることです。自分でS/N比を上げるのです。不要なものには触れないこと、触れてしまったら捨てることです。1日中情報を追い求めるなど愚の骨頂。そんなことをする時間があるくらいなら、ほかの知的なこと、生産的なことをしたほうがずっといい。

2.自分に意外性を持たせる
国内のオフィスでデスクワークに従事している人は、アフリカ経済や永久凍土の溶解などについて知ったほうがいいし、逆に、海外出張の多いビジネスマンは、海外の雑誌を読むよりもむしろ、歌舞伎や能など、日本文化のディープなところにどっぷり浸かるのがいいと私は思います。
 自分に意外性を持たせることを意識するといってもいいかもしれません。自分の勤務先や肩書きとは、最も縁遠そうなところを攻めてみてはどうでしょうか。
 そのギャップは人に「面白い人」というイメージを植え付けます。面白い人には面白い人が吸い寄せられ、そこでは面白い情報交換がされます。自分を面白い人にすることも、貫重な情報を入手するためのひとつの方法なのです。

3.岐路に立たされたら「あの人だったら」を妄想する
このときの「あの人」は身近な上司や親ではありません。雲の上の存在と言われるような人たちです。
 たとえば、坂本龍馬だったら、スティーブ・ジョブズだったら、マザー・テレサだったらどうするか。
 そうやって妄想すると、「あ、これはないな」と選ぶべきでない選択肢が消えていきムダな情報をかき集めて思考することもなくなり、正しい決断が下せるものです。思い浮かべる雲の上の存在は、シーンごとに違っていて構いません。とにかく雲の上のそのまた上にいるような人になりきって考えます。
 松下幸之助は、中国企業からのへッドハンティングに応じたでしょうか。答えは明白なはずです。

4.自分の情報をアウトプットして反応を待つ
 自分の持っている情報の価値に気づかないことは、よくあることなのです。その業界や社内では当たり前のことでも、一歩外に出ると驚愕されることはいくらでもあります。驚かれるということは、貴重な情報ということにほかなりません。
 では、自分がそうと気づかずに持っている情報の価値は、どうやったら確かめられるのか。答えは簡単です。できるだけ広く、遠くに届くようにアウトプットし、反応を待つのです。

5.教養の有無で、得た情報の活用範囲が異なる
同じ仕事をしている人たちの間で、得られる情報の量に大差がつくことはありません。しかし、その人に教養があるかないかで、得た情報の活用範囲はまったく異なります。
 教養があれば、得た情報が、自分の持っている教養の何に「似ているか」がわかります。何と「相性がいいか」がわかります。何と「組み合わせたら面白いか」がわかります。この"何と"を多く持っていれば持っているほど、その人はアイデアを多く生み出せるわけです。

★ point!★

新聞を読むな。BSテレビを観ろ。

メモは「太赤マジック」で取れ。

SNS上のバカは即刻「ブロックしてよし」―人生もビジネスも、どう“情報を捨てるか”で質が決まる。

「良い情報を探す」前に、疑い、見極め、そうして活かせ。

人、街、テレビ、ネット、スマホ…本当の知的生産をするための、「情報活用」以前の教科書。

 

 

2021/4/8 読了 斎藤美奈子「日本の同時代小説 」(岩波新書)

2021/4/8 読了 斎藤美奈子「日本の同時代小説 」(岩波新書)

★5 

発売日 : 2018-11-20
f.2021/4/8
p.2018/11/26

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 内容紹介

メディア環境の急速な進化、世界情勢の転変、格差社会の深刻化、そして戦争に大震災──。創作の足元にある社会が激変を重ねたこの50年。「大文字の文学の終焉」が言われる中にも、新しい小説は常に書き続けられてきた! 今改めて振り返る時、そこにはどんな軌跡が浮かぶのか? ついに成る、私たちの「同時代の文学史」。

内容(「BOOK」データベースより)
この五〇年、日本の作家は何を書き、読者は何を読んできたか。「政治の季節」の終焉。ポストモダン文学の時代。メディア環境の激変。格差社会の到来と大震災―。「大文字の文学は終わった」と言われても、小説はたえず書き継がれ、読み続けられてきた。あなたが読んだ本もきっとある!ついに出た、みんなの同時代文学史

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
斎藤/美奈子
1956年新潟県生まれ。児童書などの編集者を経て現在、文芸評論家。『文章読本さん江』で第1回小林秀雄賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

2021/3/25 読了 水野敬也「雨の日も、晴れ男 (文春文庫)」

2021/3/25 読了 水野敬也「雨の日も、晴れ男 (文春文庫)」

雨の日も、晴れ男 (文春文庫)

★1

1回目は2013/7/4

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昔から自分に自信の持てなかった僕は「悩み」や「劣等感」に関する本をたくさん読んできました。しかしこれらの本にはいつも不満がありました。それは、悩みに関する本のタイトルが『これであなたもポジティブになれる!』みたいなものばかりだからです。「こんなタイトルの本が家の本棚にあったら、家に遊びにきた人に僕がネガティブ人間だと思われてしまう……」とか「この本をレジに持っていったらあの可愛らしい店員さんは確実に僕のことをネガティブな人間だと思うだろう……」などと悩み始め、そもそも悩みを解決するために本屋に来たのにここで悩んでる俺って何? という、まさに悩みのデフレスパイラルに陥ってしまうのでした。そこで、いつの日か、持っていても読んでいても恥ずかしくない、「悩み」や「不幸」を癒すことのできる本を書きたいと思っていました。その試みの結晶が「雨の日も、晴れ男」です。幼い神様のイタズラによって、アレックスは不運だらけの一日を送ることになります。会社をクビになり、見知らぬ男に殴られ、詐欺にあい、妻子に愛想をつかされて一人ぼっちになってしまいます。しかしアレックスは持ち前のポジティブさでこれらの不運に立ち向かいます。もしかしたらこの本の序盤ではアレックスの奇想天外な行動を理解できないかもしれません。しかし最後には「悩み」や「不幸」にどう立ち向かっていけばいいのかをアレックスははっきりと示してくれます。この本は、できれば途中であきらめずに最後まで読んでいただけるとうれしいです。

*本書は2005年3月にインデックス・コミュニケーションズから刊行された「バッドラック」を再構成し、改題したものです。

内容(「BOOK」データベースより)
二人の幼い神のいたずらで不幸な出来事が次々起こるアレックス。だが、会社をクビになろうとも、家が焼けようとも、妻子が出ていこうとも、彼は常に他人を楽しませ、前向きに生きていた。その様子を見た二人は、全知全能の神ゼウスの制止を振り切って…。人生で一番大切な事は何かを教えてくれる感動のエンターテイメント小説。
著者について
1976年愛知県生まれ。慶応義塾大学経済学部卒。処女作「ウケる技術」がベストセラーに。三作目の著書「夢をかなえるゾウ」は130万部を超え現在も版を重ねている。作家活動以外にも、恋愛体育教師・水野愛也として、著書「LOVE理論」、 講演DVD「スパルタ恋愛塾[ソフト編・ディープ編]」がある。また、DVD「温厚な上司の怒らせ方」の企画構成・脚本や、漫画「地球くん」の企画・原案を手がける。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
水野/敬也
1976年愛知県生まれ。慶応義塾大学経済学部卒。処女作『ウケる技術』がベストセラーに。作家活動以外にも、恋愛体育教師・水野愛也としての著書がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

 

2021/3/15読了 柚月裕子「慈雨」 (集英社文庫)

2021/3/15読了 柚月裕子「慈雨」 (集英社文庫)

 

f.2021/3/15
p.2019/8/11

慈雨 (集英社文庫)

★3

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内容(「BOOK」データベースより)
警察官を定年退職し、妻と共に四国遍路の旅に出た神場。旅先で知った少女誘拐事件は、16年前に自らが捜査にあたった事件に酷似していた。手掛かりのない捜査状況に悩む後輩に協力しながら、神場の胸には過去の事件への悔恨があった。場所を隔て、時を経て、世代をまたぎ、織り成される物語。事件の真相、そして明らかになる事実とは。安易なジャンル分けを許さない、芳醇たる味わいのミステリー。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
柚月/裕子
1968年岩手県出身。2008年「臨床真理」で第七回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞しデビュー。13年『検事の本懐』で第十五回大藪春彦賞を、16年『孤狼の血』で第六十九回日本推理作家協会賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです。